本日宝島社を提訴しました

本日宝島社を提訴しました。

訴状は後日公開します。


2/10「ミナミの貧困女子」という本が宝島社から発行されました。私の名前が複数の著者のうちの一人として出ていますがヘイト本です。この本についての責任を全うするために訴訟を起こします。


資金や人手不足もあり、またやむを得ない事情により発行から数ヶ月が経ったため注目も集めにくく困難な状況ですが、傍聴や集会参加等、ご支援いただけましたら幸いです。


みなさまへのご報告が遅くなったことで、私の文章だと思い、読んでしまって不快な思いをされたかたもいると思います。重ねてお詫び申し上げます。


これらは今後の裁判闘争で責任を取らせていただきます。


【提訴理由】

①自分が書いた文章ではないとはいえ、夜職や女性を消費する差別的な本を出してしまった責任を取らねばならない。

②社会的地位のない他の物書きは軽く扱われ、同じような手法で黙らされてきたはずだ。宝島社は私のことも黙らせることができると踏んだのだろう。

そのような例を今後出さないよう、問題を明るみにし、物書きやフリーランスの地位の向上を社会的に投げかける。


【要点】

⚪︎私が書いた元原稿は趣旨の異なるものに書き換えられていたが、名前だけ使われている。

⚪︎本全体を通して「コロナ禍で値崩れした女性を買って応援しよう」という差別的な内容だった。中国ヘイトやトランス差別等、偏見に基づく内容も散見される。

⚪︎女性が書いたと「はじめに」に書かれているが、半分以上男性が女性のふりをして書いたもの。

⚪︎本の制作過程において、編集者から著者へのセクハラ・パワハラがあり、著者の一人は明らかな精神不調に陥った。

⚪︎力をもたない無名の著者をぞんざいに扱う宝島社を許さない。


【経緯】

⚪︎人物

村上薫:著者

河住和美:著者

角田裕育:編集者(=川澄恵子:著者)


11月に市役所交渉で維新のミナミへの自粛要請を追求し、ミナミのバーを借りて労働相談所を運営していた私と河住に、角田が本を出さないかと持ちかけてきました。


正月には原稿が揃ったのに、ゲラが送られてきたのは1/24でした。


それを見た私と河住は内容が違いすぎたので、「自分が書いたものではない」と抗議しました。宝島は2/10が発売だからもう直せないと言いました。


このままで発行するなら降りる、とさらに抗議しましたが、「一旦名前を使っていいと言ったじゃないか。そんなワガママは許さない。損害賠償1000万を要求する」と脅され、差別的な内容を改めることで合意しました。


しかし、最終稿は見せられず、出来上がった本はやはり差別的な内容でした。


宝島社に抗議し、絶版と自主回収を求める方向になりましたが、

弁護士のアドバイスで発売から時間がたったいま、自主回収は難しいとされ、また要求が絶版謝罪だけでは敗訴の前例を作ってしまうとのことで、

①絶版と謝罪

②1000万円の賠償金

を要求することになりました。


今まで大手出版業界は無名の著者に対して同じようなことをしていたのだと思います。今回も私たちを黙らせることができると踏んだのでしょう。私は訴訟という公的な場で抗議することで立場性を明確にし、ひろく訴えます。

(文中敬称略)


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以下裁判をともに闘う

相談所キュアからのメッセージです。

(文:キュアマスター五宝光基)


「宝島社」を訴えました!

「ミナミの貧困女子」という本が宝島新書から2021年2月10日に出版されました。


私たちキュア相談所はコロナ禍のミナミで働く女性キャスト、従業員の困窮を訴えると同時に、ミナミの街の活性化に役立つことが出来ると考えて、この本の出版に協力しました。


しかし出来上がった本は、私たちの期待とは異なり、「コロナ禍で値崩れした女性を買って応援しよう」という差別的なものでした。私たちキュア相談所は「ミナミの貧困女子」が、私たちの意図した方向とは違う内容で出版され、多くの関係者に迷惑をかけたことを謝罪しなければなりません。


この本が出版されるにあたり、宝島社と担当の編集者は、女性ライターの原稿を大幅に改竄し、彼女が書いたものとは全く違うものにしてしまったのです。


1月の初めに原稿が完成して送っているにもかかわらず、全く違う形でゲラが出てきたのは1月24日、「これは自分が書いたものではない。直して下さい」と抗議したにもかかわらず、出版が2月10日なので直せないと言われ、それでは女性ライターが出版から下りる、著者として名前を出さないで欲しいと要求すると、損害賠償1000万円を要求することになると脅してきたのです。


相手が差別的な内容は改めると約束したため、やむなく了承したのですが、最終的に出版された本の内容はほとんど改められませんでした。原稿が筆者のものから大きく改竄され、筆者が抗議しているにもかかわらず「1000万円の損害賠償」という脅迫をもって強引に出版された、問題のある本なのです。


 「売れるから」からといって、ライターが書いたものを了承も得ずに大幅に改竄して良いはずはありません。これは文章、文芸に関わる者のみならず、作詞作曲、イラストなど、およそ創作に関わる全ての者に関係する問題でありますが、宝島社は大きな出版社であり、力関係を利用して名もなきライターを押さえつけ、強引に出版してしまいました。このようなことが許されるでしょうか?


 この本の出版にあたっては他にも、編集者がライターに対してハラスメントを行い、精神的に不調にさせてしまったことや、男性の編集者が書いた原稿を、女性のライターが「女性目線で書いた(その割には、男性の偏見にまみれていますが)」ように読者を騙していることも問題です。


裁判の費用や手続き、訴訟内容の検討などで時間を費やしましたが、女性ライターは泣き寝入りすることをせず、10月12日に株式会社宝島社と編集者を提訴したのです。


 私たちキュア相談所は「ミナミの貧困女子」が私たちの意図と違う内容で出版されたことの責任をとるためにも、女性ライターが起こしたこの裁判を断固支持し、支援していく所存です。そして多くの心ある人びとに、この裁判を支えてもらいたいと訴えます!

宝島社『大阪ミナミの貧困女子』差別出版裁判

絶版と謝罪を求める