本日は宝島裁判に集まっていただきありがとうございました

本日は宝島裁判に集まっていただきありがとうございました。

法廷から溢れる人に結集していただけて心強く思います。

本日の裁判内容は私の意見陳述でした。

次回期日は2/16 10:30 807号法廷です。


宝島社側は次回以降について傍聴人を入れない当事者同士の裁判進行を望み、裁判所も私たちに折れさせようとしていましたが、傍聴に結集したかたがたのおかげで裁判への注目度が伝わり、次回以降も開廷を勝ち取りました。ここは相手方との力関係なのでこちらの傍聴が少なくなるとすぐ秘密裁判に持ち込まれてしまうようです。


今回、宝島社は全員欠席でした。民事裁判の第一回期日は原告側が日程を決めるため、被告の欠席は珍しくないとはいえ、宝島社側は露出を望まず、事件を隠蔽しようとしているのがあからさまです。今後の裁判では証人として宝島側の本に関わった人を呼ぶことになります。


宝島には資金力があり、また今まで同じようなことをして相手を押さえつけてきたノウハウを持ちあわせています。


今回も共に原告として闘うはずだった共著者をパワハラで精神不調に追い込み口を封じ、また支援者へは「こちらも大変なんだ。村上をなだめてほしい」、ときには「物分かりの悪い過激派が騒いでいるだけだから乗せられるな」「宝島相手に騒ぐのは村上のためにもならない、とめてやってくれ」と分断する電話や、支援者への直接の暴言で揺さぶりをかけてきました。


今まで不当な扱いを受けたライターが表立って行動できなかったのは、こういう手口だったのかと身をもって知り、断固闘う意志を新たにしました。


法廷まで来られないかたからも多くの連帯メッセージをいただいています。本当にありがとうございます。


裁判後は弁護士会館で集会を行い意見交換をしました。


何年もかかる闘いになりますが、最後まで闘いぬきますので、引き続きご支援いただけましたら幸いです。


以下は裁判所で述べた意見陳述です。

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2020年2/10新書「ミナミの貧困女子」が宝島社から発行されました。私の名前が使われていますがヘイト本です。この本についての責任を全うするために訴訟を起こしました。


【提訴理由】

①自分が書いた文章ではないとはいえ、夜職や女性、マイノリティを消費する差別的な本を出してしまった責任を取らねばならない。

②社会的地位のない他の物書きは軽く扱われ、同じような手法で黙らされてきたはずだ。宝島社は私のことも黙らせることができると踏んだのだろう。

そのような例を今後出さないよう、問題を明るみにし、物書きやフリーランスの地位の向上を社会的に投げかける。


【要点】

⚪︎私が書いた元原稿は趣旨の異なるものに書き換えられていたが、名前だけ使われている。

⚪︎本全体を通して「コロナ禍で値崩れした女性を買って応援しよう」という差別的な内容だった。中国バッシングやセクシャルマイノリティへの差別、偏見に基づく内容も散見される。

⚪︎女性が書いたと「はじめに」に書かれているが、31歳の女性とされる川澄恵子は架空の人物で、40代の男性編集者角田が取材し書いた原稿です。これを女性のライターが「女性目線で書いた」としています。

女性が言ってるんだから女性差別じゃない、としたかったのです。しかし、マジョリティがマイノリティだと偽り、自身の差別性の隠れ蓑にしていいはずがない。

⚪︎角田から取材を受けたラウンジから角田の取材態度が自分たちを見下していて不快だったと苦情がきています。

⚪︎本の制作過程において、編集者から共著者へのパワハラがありました。角田は「素人を評価してやってるんだから従え」と繰り返し、彼女は精神不調に陥りました。こうやって著者を潰していくのです。

⚪︎力をもたない無名の著者をぞんざいに扱う宝島社を許さない。


【経緯】

⚪︎人物

村上薫:著者

河住和美:著者

角田裕育:編集者(=川澄恵子:著者)

11月に市役所交渉で維新のミナミへの自粛要請を追求し、ミナミのバーを借りて労働相談所を運営していた団体キュアのメンバー、私と河住に、角田が本を出さないかと持ちかけてきました。

私たちはコロナ禍のミナミで働く女性キャスト、従業員の困窮を訴えると同時に、ミナミの街の活性化に役立つことが出来ると考えて、この本の出版に協力しました。

しかし出来上がった本は、私たちの期待とは異なり、「コロナ禍で値崩れした女性を買って応援しよう」という差別的なものでした。

正月には原稿が揃ったのに、ゲラが送られてきたのは1/24でした。

それを見た私と河住は内容が違いすぎたので、「自分が書いたものではない」と抗議しました。宝島は2/10が発売だからもう直せないと言いました。

このままで発行するなら降りる、とさらに抗議しましたが、「一旦名前を使っていいと言ったじゃないか。そんなワガママは許さない。損害賠償1000万を要求する」と脅され、差別的な内容を改めることで合意しました。

しかし、最終稿は見せられず、出来上がった本はやはり差別的な内容でした。

今まで大手出版業界は無名の著者に対して同じようなことをしていたのだと思います。今回も私たちを黙らせることができると踏んだのでしょう。ヘイト本が世に出回るということは差別を拡散することであり、差別を許す社会傾向に加担することです。

私は差別言動の拡散を阻止すること、またライターとしての第二第三の被害者を出さないためにも、訴訟という公的な場で抗議することで立場性を明確にし、ひろく訴えます。