今日の大法廷は座席が85あり、車椅子スペースもある広さです。今日はコアメンバーの何人かが所要で来られなかったものの、幾人もの人が声かけを行った結果、初めて参加したという方も含めて40名弱が傍聴に入りました。宝島社側の代理人は、弁護士1名のみです。
淡々と書面のやり取りが続いた後、こちら側の代理人から本裁判の本質について説明…女性ライターが「女性目線」で書いたと謳いながら、実際は男性編集者が書いた本であること(そのことを指摘すると宝島社側は「女性ライターがリライトしたから、女性が書いた」と反論…ただし修正は微修正であり、男性が書いたものとして間違いない)、”キュア相談所”代表の電話番号を無断で掲載していること、そして何よりも筆頭ライターとして本の表紙に名前を載せられている村上さんが本の全体像を確認しないまま、「夜職」の当事者性を利用して出版を強行した、ということが核心である旨述べられました。
その後、原告の村上さんから「この本は私が書いたものではありません。改竄されたものです。差別的な内容の本になって、怒りを覚えています」と発言、さらに「(宝島社側は)今まで”秘密裁判”にして、なかったことにしようとしています。これまでフリーランスの声をおさえつけてきたが、ようやく宝島社のやってきたことが明らかにされようとしています」と述べ、傍聴席からは拍手もおこりました。
宝島社側は「主張したい事は、終わっています」などと答えました。もう裁判を終わりにして欲しいようです。しかしこちらとしては、まだまだ明らかにしたいことが山ほどあります!
昨日(6月20日)付けで、問題の男性編集者も別途、裁判に訴えた。別件の裁判となるが、本件に密接に関わっており、事実関係の統合のためにも“併合審理”をお願いしたいと裁判官に伝えました。
宝島社側は、原告が執筆していない部分(実は本の大部分を占める)については、権利侵害について無関係であると主張もしています。裁判官は一旦、奥に引っ込んで今後の進行について”協議”するとのこと。時間がたってから現れて、再度原告、被告の意見を聞く…被告側は「もはややることはない」、原告側は「法的にまだやることがある」と主張しました。
次回も大法廷で行うことを前提に、日程を決め…9月16日(金)11:30~ となりました。
終了後、弁護士会館で集会、報告と感想を述べあいました。宝島社側が裁判官を抱き込んで、裁判を早期に終了させようとしていることへの危機感を共有しました。また裁判とは別に、宝島社のやっていることを世に知らしめ、謝罪と絶版を求める大衆運動を行うことも提案されました。
また非正規職を続けながら今はライターとして活躍している栗田隆子さん(著書に「ぼそぼそ声のフェミニズム」(作品社)がある)から、非正規雇用の労働条件や労働契約も酷いが、文筆業・フリーランスの契約や雇用関係は、口約束とかもっといいかげんである。また差別とセンセーショナルは紙一重だという旨のミニ講演がありました。
もう一度書くが、次回は9月16日(金)11:30~です。
大法廷の傍聴席を埋め尽くすような結集で、裁判を終わらせないよう圧力をかけていきましょう!
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